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中華帝国志〈上 治乱興亡篇〉 (講談社文庫)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 177221 位
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| 参考価格: | ¥ 280 (消費税込)
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癖はありますが
作者が台湾の出身なので広東風のルビをつけるのは当たり前(日本語訳の三国志演技に北京語のルビをつけていないと指摘するのと同じ)
校閲のミスを作者の論調のミスと刷り返えて揶揄するのはナンセンスな証拠
小説ではありますが、過去の中国人(漢民族)作家達によって作り上げられた『理想としての虚構』や、中国の風習を知らずに研究に取り組んだ外国人学者の誤解(上海眼鏡)を取り払いつつ、漢民族の世界観を日本人に分かりやすく解説している論調は秀逸であり、良書といえます。
残念ながら癖が強く万人向けではありませんが、波長が合うようであれば春秋戦国志(全3巻)もお奨めです。
張良主役の楚漢戦争
この本は、中華帝国の興亡の秘密に迫る作者の随筆+小説といったつくりになっており、上巻はいわゆる「項羽と劉邦」時代が小説になっています。
最初の随筆部分が80ページ以上に渡り、途中で挫折しそうになりましたが、投げ出さなくてよかったです(笑)。なぜなら、第一章から始まる小説の主役が張良だから!それも従来の張良像とは一風変わった張良。彼が番をはっている所からお話が始まります。
この張良は韓非子の弟子。博浪沙での始皇帝暗殺には、韓を滅ぼされた怨みに加え、師の仇という感情も含まれていた。ところが暗殺失敗後、張良の始皇帝への感情がガラリと変わります。きっかけは橋の上の老人との出会い。普通この老人は仙人とされていますが、この小説では始皇帝に深い関わりのある人間。彼の話を聞き、張良は何と始皇帝擁護派に。法治国家を肯定します。司馬遼太郎の張良などは劉邦と出会った後も、韓の再興を考えていますが、この張良はそんなことは露ほども考えていない。昔に戻る気はない。無頼漢を引き連れた白面の書生張良と劉邦の出会いも印象的で、張良が劉邦に与することにした理由も、劉邦陣営には自分が入り込む余地があるからという人間臭い感情が絡んでおり、今までにない張良が見られること間違いなしです!
上・中・下まとめての感想
独自の中国観に基づいており、小説風になっていて面白いところは面白いのだが、著者の考えを披瀝するところになるとあまり面白くなくなる。 「士幇」に「スパン」とルビを振るなど、広東語風の読みを使っている。 下巻で「万俟〓[咼の上にト](せつ)」を「万俟高」として「まんいこう」と仮名を振っている(149ページ)のはどういう訳か。ふつうの史料には「万俟〓(せつ)」とあるはずだが。よほど世俗的な史料に基づいているのだろうか。 また、「一敗血にまみれて再起する」という表現がある。年輩の人らしいのに、変なところで間違っている。
講談社
始皇帝―中華帝国の開祖 (文春文庫)
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